咬合誘導
矯正歯科治療とむし歯 その2
前項で、むし歯の成り立ちについてお話をしました。
もう少しお話を続けます。歯のカルシウム貯金のお話をしましたが、歯が生えた直後のカルシウム貯金は非常に少ない状態です。これが、唾液中のカルシウム等を取り込んで次第にカルシウム貯金残高が大きくなり、「むし歯に対する抵抗性」が増します。抵抗性が増すのであって、「むし歯にならない」訳ではないので念のため。
「むし歯に対する抵抗性」というキーワードではもうひとつ、フッ化ナトリウムなどのフッ化物の存在が重要です。
歯のエナメル質は、化学的には水溶性です。周囲の環境が良いとカルシウムを取り込み、環境が悪いとカルシウムを放出します。
前にお話した、「水酸基」が「フッ素イオン」と置き換わることにより、水溶性から不溶性に変化して、エナメル質結晶の安定度が増します。
むし歯を作らないためには、「むし歯抵抗性」を上げる方法を患者様と医療者側の二人三脚で実践することです。
次回は、「むし歯抵抗性」の向上を目指してお話したいと思います。
乳歯はいつ抜ける? -永久歯への生え変わり時期ー
乳歯はいつごろ抜けるのですか?・・・とよくご質問をいただきます。
1)歯科の先生に、抜歯を勧められたが、そもそも抜歯の必要があるのか?
2)乳歯はできれば自然に抜けるまで様子を見てはいけませんか?
3)子供の歯がぐらぐらしていますけど、大丈夫ですか?
「歯科矯正学」の教科書の中にはならびが悪くなる(不正咬合の)原因には、
①乳歯の早期喪失(乳歯が早く抜けてしまう)
②乳歯の晩期残存(乳歯が抜けるタイミングを逃して、居残っている)
この2つも挙げられています。 乳歯が抜けるタイミングは、実は後に控えている永久歯の完成度と関係しています。 また、個人差が大きいものなので、年齢で判断できない部分もあり悩ましいところです。
入江クリニックでは、
「乳歯の早期喪失」 → 後続永久歯が生えるスペースを確保する(方法によっては 保険適用)
「乳歯の晩期残存」 → 後続永久歯が良い位置に生えるように乳歯の抜歯を含めて検討する(保険適用)
これらの判断を行います。X 線写真の撮影が必要となることもあるでしょう。
何等かの処置が必要であれば、患者様の希望に沿って歯科主治医の先生に診療情報提供を行うか、処置を行います。
この部分は健康保険適用となる部分でもあり、自然に良い歯並びになる可能性も増えるので、小学校入る前に一度受診されることをお勧めします。
私たちの理想は、固定式矯正装置を使用しないで、良い歯ならびを手に入れることです。 お気軽にご相談ください。
岐阜市金宝町2-4 岐阜・名古屋のはならび・小児歯科 こども歯科 矯正歯科入江クリニック 矯正歯科医師 入江 道文
日本睡眠学会認定歯科医 日本矯正歯科学会認定医 日本抗加齢医学会専門医
岐阜・愛知(名古屋)の歯科矯正・睡眠時無呼吸症マウスピース
小学生の反対咬合-矯正歯科治療写真
8歳1ヶ月の時に、反対咬合(受け口)で、一般歯科の先生よりご紹介頂いた方です。
矯正歯科治療の開始時期、非常に悩ましいところですが、1年足らずで前歯前後の関係は改善した症例です。
舌側弧線装置(リンガルアーチ)、ブラケット、下顎に床装置を使用して患者様・お家の方のご協力のもと、良好な結果を得ることができました。(写真はすべて学術写真です:Nikon D100 固定焦点 純正リングストロボ)
初診時の写真です。
8歳10ヶ月の10ヶ月足らずで、反対咬合は解消されています。
8才 10ヶ月 反対咬合改善
後続の永久歯スペースを確保する為に、舌側弧線装置を使用しました。
乳歯とともに役目を終えた舌側弧線装置(リンガルアーチ)の写真です。
これから、歯のはえ具合を観察しながら、必要に応じて新しい床矯正装置などを用意します。永久歯抜歯の可能性は低いと思います。
岐阜・名古屋歯列矯正 早期矯正治療 反対咬合(受け口) 矯正装置写真
矯正治療の開始時期-T4K使用 マルチブラケット使っていません
岐阜市の矯正歯科医、入江です。(わざとらしくてすみません) 別項でも触れましたが、歯の矯正治療の開始時期のお話です。 今日矯正歯科定期検診で来院された患者様です。 7歳から入江クリニックで治療をはじめました。
矯正歯科治療の開始時期、よく「永久歯が生えそろってからで良い 」という話を患者様から聞きますが、乳歯と永久歯が混じっている時期「混合歯列期」に治療を開始して、早期に良好な治療結果を得た症例です。
ブラケット(いわゆるワイヤー矯正)を一度も使用していません。矯正歯科治療の開始時期に迷っている方の参考になれば幸いです。(写真はすべて学術写真です:Nikon D100 固定焦点 純正リングストロボ)
使用した矯正装置は、取り外し可能な装置で、主にマウスピースタイプのものを断続的に永久歯が生えそろうまで自宅で装着していただきました。現在に至るまで、一度もマルチブラケットシステム(ワイヤー矯正)などの固定式装置を使用していません。
また、マウスピースといっても、インビザラインのようなものではなく、舌や唇などの筋肉の動きを整えることが主な目的の装置です。考え方そのものは、専門的になりますがアクチベーター(FKO)*、バイオネーター、フレンケルといった機能的顎矯正装置につながるものです。*アクチバトールとも呼ばれています
定期的に写真を撮らせてもらっています。マルチブラケット装置、インビザラインなどは一切使用していません。
その後も 、定期健診においでいただいています。
18才の夏休み、来院して頂けました。ますますバランスのとれたスマイルです。
患者様ご本人、養育者の方のご好意により、写真を見て頂く事ができました。感謝です 写真データ:Nikon D100 純正リングストロボ 固定焦点
岐阜市金宝町2-4 岐阜のはならび 矯正歯科入江クリニック 矯正歯科医師 入江 道文
日本睡眠学会認定歯科医 日本矯正歯科学会認定医 日本抗加齢医学会専門医
岐阜・愛知(名古屋)の歯科矯正・歯列育形成・睡眠時無呼吸症マウスピース
睡眠と歯科のかかわり
「睡眠と歯科のかかわり」というタイトルで、寄稿しました。
SAS-net の中からPDF形式で閲覧できます。睡眠医療になぜ歯科が?と思われた方。ぜひ、ご高覧いただけたらと思います。
http://www.kaimin-life.jp/img/freepaper/pdf/neruzo_vol05.pdf
ブラウザでも閲覧できます。
http://www.kaimin-life.jp/column/23.html
岐阜市金宝町2-4 入江クリニック 矯正歯科医師 入江 道文 歯ならび・顎関節症・歯科矯正・睡眠時無呼吸症マウスピース(スリープスプリント)ご相談下さい。
日本睡眠学会認定歯科医 日本矯正歯科学会認定医 日本抗加齢医学会専門医