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矯正歯科 睡眠時無呼吸症 入江クリニック 顎関節症

睡眠時無呼吸マウスピース 保険適用(紹介状をお持ちください)

よくある質問

よくある質問

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質問1 (成長期の治療について)

6歳になる子供が、下顎が出ています。矯正するのにいい時期はありますか?
  • 6歳になる女の子ですが、少し下顎が出ています。矯正歯科へ行きましたが、すぐ泣いて診察になりません。もう少し精神的に落ち着いてからの方がいいと思うのですが、だいたい何歳くらいからが矯正するのにいい時期なのでしょうか?([性別] 女 [年齢] 30代)
少し下顎が出ているとのことですが、前歯も出ているのでしょうか?それによって緊急度は変わってきます。もし前歯も出ているのであれば待つ事は決して得策とはいえません。
その理由は、
  • 東洋人では反対咬合(下顎前突)の比率が、白人系の人々などに比べて極めて高くなっています。
  • 上顎と下顎では異なった成長パターンを示します。特に成長の後半から終わりにかけてはほとんど下顎のみが大きくなります。(なのに6歳ですでに反対咬合であることは、予後が心配)
  • この時期の反対咬合は、下顎の前方への成長を助長しており、ますます下顎が前へ出る可能性が増える。
以上のことが一般的に考えられます。
従って、同じ矯正歯科の適応症である歯の凸凹と違い早期の受診が必要となります。(個人的には、永久歯が生えそろってからでは顎の骨を切る手術との併用が必要となる確率が増えると考えます)
受診は、小学校の1年生くらいまでには矯正歯科専門医で、早期の反対咬合治療に多くの実績を持っていらっしゃる先生であればこれに越したことはありません。
歯学部附属病院でも開業医でも矯正歯科の専門の先生に早く相談されることを強くお勧めします。

質問2 (大人の矯正について)

40代になりますが、年齢的に矯正のメリットはありますか?また、その費用はどの程度かかるのでしょうか? この年代で、5年程の間で咬み合わせが悪くなることもあるのでしょうか?
  • 歯科検診で、歯の咬み合わせが悪い(前歯が咬み合っていないらしい)ということで矯正を薦められました。年齢的なことを考えると今更矯正をしなくてもという思いと、矯正にかかる時間と費用を考えても、将来入れ歯のお世話にもなるだろうし、あまりメリットも無いように思うのですが、
    • 一般的に、ある程度の年齢以降の矯正のメリットはあるのでしょうか?
    • また、保険が利かない処置だと思いますが、費用はどの程度かかりますか?
    • さらに、5年ほど前、同じ歯科医師に「矯正までする必要はない」と言われたこともあるのですが、5年くらいの間に矯正が必要となるほど、咬み合わせは悪くなるものでしょうか?
    ([性別] 女 [年齢] 40代)
あなた様の場合、診断名からいいますと、「開咬」かもしれません。前歯でラーメンのような麺類がかみ切ることができないことや、ハムサンドイッチを食べた時にハムだけかみ切れずに残ってしまうことなどありませんか?矯正歯科治療は、結果として見た目が良くなりますが、それ以上に機能の回復あるいはより良い状態に導くことを目的としています。 従いまして、
  • のご質問は主に見た目の問題でのご質問と解釈いたしますが、年齢に関係なくより良く咬めることは重要であると考えます。また、発音、発語にも少なからず影響を与えます。これを改善するのに遅すぎることはありません。
  • のご質問の費用は、ごく一部の症状の方を除いて保険適用はされていません。各施設により費用は異なりますが総額で100万円前後はかかる可能性があります。いくつかの施設に相談されると良いと思います。
  • については、先生の見解の違い(間違いではない)である可能性が高いと思います。ご年齢を考えて5年で、正常な状態から急激に変化するとは考えにくいと思います。こればかりは診察をしないと何ともわかりかねますので、ぜひ「矯正歯科」単科標榜の施設もしくは「矯正歯科専任」の先生がいらっしゃる施設で受診されると良いでしょう。

質問3 (不正咬合について)

受け口なのですが、治療にかかる費用および入院期間を教えてください。
  • 私は受け口なのですが、よく受け口は咬み合わせが悪いので内臓に良くないと聞きます。治したいと思うのですが、費用及び入院期間等が分かりません。教えてください。
受け口とのことですが、まず受け口とは上の前歯より下の前歯のほうが前に出ている状態です。ただ、この受け口にはいくつかの種類があります。
  • 上の顎、歯には何ら問題が無く下の前歯が前に出ているタイプ
  • 上の顎、歯には何ら問題が無く下の顎が前に出ているタイプ
  • 下の顎、前歯には何ら問題が無く上の前歯が後ろへさがっているタイプ
  • 下の顎、前歯には何ら問題が無く上の顎骨が後ろへさがっているタイプ
  • 上記の組み合わせ
このどの症状に該当するかによって、治療方針も変わってきます。
基本的には、
  • 矯正歯科治療のみで治る場合
  • 矯正歯科治療プラス外科手術が必要な場合
の二つに分かれると思います。
  • 矯正治療のみで治療が可能な場合は、自由診療扱いとなり各医療機関により異なりますので、よく矯正歯科専門医に相談されると良いかと思います。
  • この場合、指定医療機関(一部の歯学部大学病院ならびに矯正歯科専門開業医)であれば矯正歯科診療費用ならびに顎矯正手術の費用について保険適用となります。3割負担でも50万円をずいぶんと超えることもあります。手術後の入院期間は、手術の方法により大きく異なります。また、上下顎の手術と、下顎のみとでは大きく異なります。不遜な言い方ですが、顎の骨の骨折を人工的に起こしてそれが治って退院できるのが、入院期間ということになります。4週間から8週間は覚悟なさっていたほうが良いかもしれません。入院期間が長引くひとつの条件は、口から栄養が普通に取れないことにもあります。
内臓に負担がかかることも十分に考えられますが、その他にも顎関節症の可能性が増えることや、将来不幸にして総入れ歯が必要になったときに、良く咬める入れ歯を作ることが非常に難しくなります。どちらにしても矯正歯科医のコーデイネートが必要となりますので、矯正歯科専門医に相談されることをお勧めいたします。

質問4 (不正咬合について)

うまく発音できない音や聞き取りづらい音があることに気づきました。咬み合わせや歯列が原因でしょうか。また、どのような診療科にかかるとよいのでしょうか?
  • 10歳頃に前歯だけでものを咬んでいた時期があり、少し前歯が突出しています。12歳頃から左側の歯だけでものを咬む癖があって、最近自分の下顎が右側に少し傾いていることに気が付きました。歯列もよくありません。また、15歳頃からうまく発声できないような感覚がして(自分では「チ」と言っているのに相手には「キ」と聞こえていることが多い)、2年前に自分の声を録音したものを聞いたときに、声がこもって聞き取りにくいことに気がつきました。今考えると、実際にはいつから聞き取りにくくなっていたかは分かりません。最近、五十音の「イ」段を発音するときに、口の左側でしか発音できていないことにも気がつきました。色々なHPを見て、「構音障害」というものを知り、自分は「側音化障害」なのだと思うのですが、やはり咬み合わせや歯列が原因なのでしょうか。また、治療の際は最初にどんな診療科にかかればよいのでしょうか。日常生活に至極支障をきたすほどではないとは思うのですが、自分の名前にうまく発音できない音があり、うまく言えない事が何より辛く、悩んでいます。([性別] 女 [年齢] 10代)
文章から拝察しますに、本当の意味での「構音障害」ではないと考えます。顎の骨の一部が欠損している場合などがこれに相当すると考えてよろしいでしょう。このような症状の原因として一般的に考えられるのは、歯列不正、不正咬合、舌小帯付着異常です。
前歯だけで咬んでいた時代があったとのことですが、これは単なる癖の問題なのかそこでしか咬めなかったかによって変わってきます。また、前歯が突出してきたとのことですが、上下どちらの歯が突出してきたのでしょうか?どちらかによって発語しにくい言葉が変わってきます。 また、舌の裏側に舌小帯というスジがありますがこの小帯の付着のしかたによっても発語はしにくくなります。
文章からでは詳しい状況が把握しかねますが、一人で悩んでも解決になりません、先ずは「矯正歯科」専門医を受診されてはいかがでしょうか。矯正歯科医が必要であれば他科への紹介もしてくれるはずです。
ただ、解決にはあなた様ご自身の努力も必要となります。相手にはっきりと言葉が伝わるように声のトーンを変える工夫をするとか、舌の動きを良くする練習が不可欠となります。これらも合わせて矯正歯科で相談にのってもらえると思います。

質問5 (顎関節症について)

顎関節症で、マウスピースにて治療を続けていましたが、出産後痛みが再発し親知らずも生えたためマウスピースが合わなくなってしまいました。引っ越したため、以前担当していただいた先生には相談できず、どのように治療をしていくか悩んでいます。
  • 顎関節症で、8年前に右側の顎の付け根が痛くなり、2センチしか口が開かなくなりましたが、3ヶ月後下顎の動線が右側にずれるような動き方をして口が大きく開く様になりました。時々頭痛や、肩のコリなどありましたが、我慢してやりすごし、6年経つと仕事も手につかないほどの頭痛・首筋・顎の付け根の痛みが生じ、矯正歯科医で診てもらいました。上顎の歯型を、プラスチックで起こしたカバーのようなものを土台に、咬み合わせの良い位置を1ヶ月くらいかけて探し、それをもとに歯を削って咬み合わせ修正することで痛みが少し和らぐようになりました。そのカバーを付けているときは痛みがない為、ひどい痛みのときにカバーを付けておくことでとりあえず治療は終了しました。しかし、その2年後出産したあとで各部の痛みが頻繁に出るようになり、以前作ったカバーも親知らずが生えた為合わなくなり、どうしたものかと悩んでいます。以前かかった歯科医は引っ越した関係で遠方になり、担当の先生に相談はできません。
    歯列矯正は費用が高いらしいので、出来れば少しずつ咬み合わせを治すことや、以前作ったカバーのようなものを使いながら治療したいのですが、そのような治療をやってくれる歯医者はどうやって探せばいいのでしょう。専門はやはり矯正歯科でしょうか。また、最終手段として歯列矯正をするにしても、費用をかけて最終的に治らないという事にならないためにはどういうことに注意するべきでしょうか。そのほか良い治療方法があれば教えてください。([性別] 女 [年齢] 20代)
文面から拝察しますに、前の先生の治療は非常に効果的であったと考えます。
ただし、この治療法は一生症状が出なくなるとは限りません。また、今回も歯を削るような治療ができる保証もありません。おそらく矯正歯科的な治療が必要になる可能性が高いように思われます。
矯正歯科の先生で、特にこの方面がお得意な先生にアドバイスを受けるのが良いと思います。電話帳で矯正歯科専門の先生を探して、簡単に症状を話して「一度みせてください」か「うちではなんとも」というニュアンスが返ってくると思いますので、これもひとつの判断の目安になると思います。

質問6 (歯の治療について)

生まれつき前歯が出ていて、矯正をしようとすると100万円程かかると言われショックを受けました。費用はそのくらいかかるのでしょうか。
  • 私は産まれつき前歯が出ています。歯科に行った際矯正の事を聞いたら、だいたい100万円位掛かると言われショックでした。私としては、30万から40万円位で矯正できたらと思うのですが、やはり無理でしょうか? ([性別] 女 [年齢] 20代)
矯正治療は、特定の先天的な疾患と手術の併用を必要とするものを除いて、健康保険が適用されないのはご承知のとおりで、その為治療費については各医療機関の判断に任せられています。一般論としてご説明しますと、保険の算定基準が存在する訳ですから、この方法で計算しても医療機関側の収受金額(患者さまが窓口で支払う分と保険基金から支払われる分とを合わせて)が100万円になることは決して珍しくありません。このことから考えると、矯正治療費の100万円は、確かに高額ではありますが医療費の考え方からは決して非常識とは言えません。
また、これは確証をもっているわけではありませんが、医療機関によってかなりのばらつきがあると思われます。地域、病院と診療所あるいは歯科と矯正歯科専門の施設とでは料金が異なる可能性は否定できません。
ちなみに、私共のクリニックでは、費用はすべて備え付けの診療報酬一覧表に従ってご説明しています。以上の予備知識をもって、複数の施設(病院・医院)で費用のみならず治療方法なども含めて納得いく説明をしてくれるところが良いのではないでしょうか。

質問7 (成長期の治療について)

6歳の子どもですが、乳歯が抜けていない状態で前歯の内側から永久歯が生えてきました。
矯正する費用が20万円程かかると言われましたが、保険診療にはならないのでしょうか。また、矯正は必要でしょうか。
  • 下の前歯の内側から2本の永久歯が生えてきてしまいました。まだ乳歯が1本も抜けていない状態で永久歯2本が乳歯と重なって2枚刃のようなっております。近所の歯科医院で診察してもらったところ、「顎が小さすぎて収まらないので矯正する必要がある。費用は20万円程掛かります」とのことです。
    友人に相談したら「せっかくお金を掛けて矯正しても大人になってから再度矯正しなくてはいけないから無駄だ」というのですが、これは保険診療にはならないですか?([性別] 女 [年齢] 6歳)
お子様の歯について、色々な情報が錯綜してご心配のことと思います。
文面を拝見する限りでは、本来乳歯が抜けてその後に永久歯が生えてくるべきところが、乳歯がそのまま居座って永久歯が生える場所を探して結果内側に生えてきたものと推測されます。
従いまして、まずは、表にある乳歯の抜歯が必要となります。乳歯の抜歯後場合によっては舌の力で永久歯が前方に押されよい位置に移動してくる可能性もあります。自然によい位置に移動してこない場合には矯正装置が必要となりますが、お子様のような症状の場合、その後に生えてくる永久歯のことまで考慮した治療が必要となり、乳歯がすべて永久歯に置き換わる間は矯正歯科のフォローを受けるのが望ましいと考えます。大人になってからも矯正治療はもちろん可能ですが、就学時期から開始するとよりよい結果が期待できます。一度、矯正歯科を受診されることをお勧めします。
診療費については、先天的な疾患による不正咬合の場合を除き健康保険は適用されません。蛇足ですがこの場合の診療費は、消費税の課税対象になりますが、所得税の医療費控除の対象にはなるようです。

質問8 (顎関節症について)

口が開かなくなり、こめかみの痛みや頭痛、肩こり、首の鈍痛、手のだるさなどがあり顎関節症の疑いがあると言われ、矯正歯科に行きましたが、費用が120~130万円程かかるといわれ悩んでいます。他の方法などありますか。
  • 口が開かなくなり、食べ物を咬むとこめかみが痛み、頭痛が毎日のようにあり、肩凝り、首の鈍痛、手のだるさなどがあります。以前、顎関節症の疑いがあるといわれたことがあるので、矯正歯科に行った所、前歯が出ていて咬み合わせが悪い為このような症状がでるとのことで、矯正して根本的に直した方がよいといわれました。費用が120~130万円位かかるそうで迷っています。他の方法では治らないのでしょうか?([性別] 女 [年齢] 40代)
文面から拝察するに”いわゆる顎関節症”であると考えます。
「関節」という言葉がつくものの、関節そのものに異常がない場合も多く見られますが、どちらにしても歯並びが悪いなどの咬み合わせが大きな原因となることは否定できません。この根本的な治療ということになりますとやはり矯正歯科治療になると思います。歯並びを治療しながら症状を早く抑える為に、内服薬を1~2種類(鎮痛薬はあまり使いません)お出しすることも必要かも知れません。
費用については、各医療機関が自由に設定できるものですので難しい問題ですが、何人かの先生に相談されてみてはいかがでしょうか?当クリニックの場合は再診料まで含めてもこの金額に達することはなかなか無いような気がします。
私共のクリニックでは、このような症状の場合以下のステップで治療を進めていくことが多いので参考までに記述します。
  • 診察、投薬(これにより、関節の問題かその他筋肉や神経の問題かをある程度判別できる)
  • 検査-X線撮影とコンピューターによる顎、顔面部の骨格的診査
    (顎関節断層撮影や筋電図を採ったりすることもあります-院内で行います)
  • 確定診断と治療方針の決定
  • 治療(当クリニックでは矯正歯科治療、薬物による治療など、首の部分に問題がある場合は整形外科医への対診となります)

質問9 (成長期の治療について)

7歳の子どもですが、乳歯が抜け永久歯が生えてきているのですが、歯並びが悪く心配しています。矯正は歯が全部生え変わってからと聞きましたが、今の状態で何らかの治療法はありますか。
  • 現在、下の歯が4本、上が2本抜けて永久歯が生えているのですが、歯並びがとても悪く心配しております。乳歯のときの並びは普通だったのですが、永久歯は下側がかなりでこぼこ、上の前歯2本は完全には生えてはいないのですが、隙間がかなりあり、八の字の方向に生えてきています。矯正は歯が全部生え変わってからと聞きましたが、今の状態で何らかの治療法はないのでしょうか?([性別] 女 [年齢] 7歳)
小学校2年生の時点でお母様が気になるレベルの歯並びであれば、一度矯正歯科専門医を受診されることをお勧めします。この時期、一般的にお答えできるのは以下の通りです。
  • 乳歯から永久歯に生え変わる途中の状態では、上の前歯が多少八の字になるのはむしろ正常であることが多いと思われます。ただし、他に原因があることも考えられますので(例えば骨の中に余分な歯-過剰歯が埋まっているなど)、X線による診断が必要な場合もあります。
  • 乳歯は、早く抜けてしまっても、遅くまで居残っても後から生えてくる永久歯の位置に悪い影響を与えます。このような問題はありませんか?
  • 乳歯ばかりの頃(だいたい5歳前後)に前歯付近を強打したことはありませんか?これも歯並びの悪くなる原因となり得ます。
  • 指をしゃぶる癖、鉛筆を咬む癖、サ行・タ行の発音が英語の「th」のような発音になっているような舌の癖、普通は鼻でする呼吸ですが、いつも口から呼吸していませんか?
  • 治療の開始時期は、矯正専門医の中にも二通りの考え方があり、永久歯に全部生えそろってから矯正治療を開始する先生と、永久歯が少数でも生え始めた段階でも何らかの問題があれば治療を開始する先生がいらっしゃるように感じています。どちらの考え方にも一理あり、一方が絶対正しいとは決して言えません。因みに、私は少数の永久歯の状態でも治療を始める事が多いと思います。
  • もし、矯正治療が必要となった場合、通院期間は年単位になる事が多いのでお子様に治療の必要性を理解していただかないと治療が続きませんので、あまり神経質になってお子様のやる気をそぐようなことのないようにご留意下さいませ。

質問10 (成長期の治療について)

高口蓋の治療のためにはどのような治療があり、またその治療には保険が適用されるのでしょうか。
  • ダウン症で高口蓋のため、発音・呼吸に影響があります。機能改善のためアメリカの治療施設の指導を受け、プログラムに取り組んでいますが、その治療施設の医師から高口蓋の治療のため歯の矯正を行うよう指導を受けました。お聞きしたいのは以下の2点です。
    高口蓋の治療のためには、どのような治療があるのかということと、治療には保険が適用されるのかということです。([性別] 男 [年齢] 7歳)
高口蓋の是正には歯列弓の拡大が有効です。特に急速拡大法(rapid expansionmethod)と呼ばれる方法では単に歯を移動させるのではなく、口蓋中央部の正中口蓋縫合部に整形的な力(orthopedic force)を加えるものでこのメカニズムの中で口蓋部は下がってきます。
ただ、上の歯ばかり矯正すると下の歯と咬み合わなくなる可能性が出てきますので、結果として総合的(全体的)な矯正歯科治療が必要となります。治療そのものは矯正歯科専門医であれば対応できるものと考えます。
保険の適用は基本的に難しいと思いますが、歯学部附属病院矯正歯科を受診されてみてはいかがでしょうか?各大学独自の費用面でのアイディアを提供してもらえるかもしれません。

質問11 (成長期の治療について)

1歳6ヶ月の子どもで、乳歯が生え揃っていますが前歯が3本しかありません。
前歯に隙間が開いてしまっている状態なのと、前歯も生えてきそうな気配もありません。この頃から矯正する必要はありますか。それとも、永久歯が生えるまでそのままの方がよいのでしょうか。
  • 乳歯が生え揃ったのですが、前歯が3本しかありません。左下2番というのでしょうか、それが無く隣に犬歯が生えてしまっています。そのためか前歯に少し隙間が開いてしまって、口の中心に右下1番の前歯がきている状態です。また、歯茎から生えてきそうな気配もありません。こんな頃から矯正する必要があるのでしょうか? それとも、永久歯が生えるまでそのままにしておいた方が良いのでしょうか? ちなみに、歯が生えるのが早く、4ヶ月の頃から前歯が生え始めてきました。([性別] 男 [年齢] 1歳6ヶ月)
文面から拝察しますに、乳歯が生えてない可能性が考えられますが、これが単純に生えてきていないものなのか先天的にないものなのかはX線写真による診断が必要となります。
ただ、乳歯列のしかもこの年齢での矯正歯科治療は不可能です。ご心配でしたら3歳ころ(ひとりで診察台に座っていられるようになったら)から矯正歯科での定期的なチェックを受けられると良いでしょう。乳歯が先天的にない場合、後続の永久歯も先天的にないことを時に経験しますので永久歯が生え揃うまで放置することはお勧めしません。歯の数が少ない方が、臨床経験上増えているような気がしますが、最終的には矯正歯科を含めた歯科的加療が可能ですのであまり深刻に悩まれない方が良いと思います。

質問12 (成長期の治療について)

9歳の子どもですが、永久歯に生え変わる際に前歯が曲がって生えてきました。
矯正歯科に行ったところ、マウスピースのような取り外し可能な装置を入れ矯正をしましょうと言われましたが、この装置はいつ入れて外すのでしょうか。そして、何年位つけるのでしょうか。
また、別の病院に変わるとすると費用は初めから全部支払うことになりますか。
  • 乳歯は普通に生えていましたが、永久歯に生え変わる時に左の前歯が曲がって生えてきました。右前歯のすぐ横の歯は奥に向かって生えてきています。かかりつけの歯科医の先生は、顎が発達していないので永久歯がまっすぐ生えるスペースがないと言われました。その歯科医の先生の紹介で矯正歯科医に行ったところ、上顎を広げるためにマウスピースみたいな取り外しの出来る装置を入れ、永久歯が生え揃った時点で矯正装置を入れましょうと言われました。 取り外しの出来る装置(マウスピース)は、いつ入れていつ外すのでしょうか、矯正装置は何年位つけるのでしょうか、また、別の病院に変わったとしたら、お金は初めから全部支払うことになるのでしょうか。([性別] 女 [年齢] 9歳)
可撤式(患者さまが着脱可能な)矯正装置は、その適応症であれば非常に有効な矯正装置であると考えます。この可撤式矯正装置の利点として、
  • 飲食時には外す為、食事がしやすくまた虫歯になる確率が他の矯正装置よりも低いと考えられる
  • 成長期に用いると、歯のみならず骨格の是正も可能である
  • 骨格系に良いアプローチをする結果として、矯正治療の為の永久歯の便宜抜歯の可能性が格段に低くなる
  • 矯正治療の副反応としておこる歯根の吸収の程度が低い
などが考えられます。
欠点として、
  • 着脱などの取り扱いが時として面倒である
  • 治療の進捗に合わせて作り変えが必要となる
  • コストが他の装置よりもかかる傾向にある
  • 装置の調整により多くの臨床的知識と経験が担当医に必要となる
ことが挙げられると思います。
この装置は、通常飲食時、水泳時(万一脱離した場合装置が行方不明になる)などの運動時、歯磨きの時は必ず外すように私は患者さまに指導しています。この装置は種類を換えながら永久歯が生えそろうくらいまでかかることが多いように思います。ひとつの装置は最長1年くらいの使用期間であることが多いと考えます。
また患者さまの一方的な都合で転医する場合、次の矯正医は通常の初診の患者さまと同様の扱いをされると思います。どのような理由で転医を希望されているか判りませんが、矯正治療はその症例によっては10年以上かかることもあります。期間をあまりに気にされるようでしたら命に係わることは稀ですから、その必要性を感じられるまでは受診されない方がお子様の為でもあると思います。
親御さんの一方的な判断で矯正治療を中断され、大人になってからご自分で受診される方が少なからずいらっしゃるのも気になるところです。

質問13 (歯の治療について)

歯科矯正を始めて2年経ち、今年の年末に終了とのことでしたが納得がいきません。
他の矯正歯科で診てもらっても「この状態で装置を外すのか」と言われました。この先、このままその歯科で続けていくべきか他の歯科にいくべきかアドバイスをお願いします。
  • 歯科矯正を始めて2年経ちます。先生の話では今年の年末に終了とのことですが、納得がいきません。
    上前歯の歯茎が突起して口が閉じにくいのとかみ合わせが悩みで矯正を始めましたが、治療前より悪化したと思っています。治療を始める前によく話し合い、途中経過でも納得のいかないことはぶつけ、質問に答えてもらいましたが「絶対、納得のいく仕上がりになる」の一点張りです。他の矯正歯科でも診てもらいましたが「これで装置をとるの?」といわれ、落ち込んでしまいました。かみ合わせも出来てないとのことです。そのことも分かりながら、「順調です」と診療されたと思うと不信感でいっぱいです。この先続けていくべきか他の歯科にいくべきかアドバイスをお願いします。([性別] 女 [年齢] 30代)
矯正歯科についてご不満とのことですが、以下のことについてまずチェックして下さい。
  • 今の先生に初めてかかられたときにどこが一番気になるかきちんと伝えられましたか?また、先生はそれを理解されましたか?
  • 治療方針について説明を事前に受け納得されましたか?また、治療の限界について説明を受けましたか?
  • 2年間「順調です」の説明だけで不信感を持ちながらも通院されたのですか?
これらのことを整理した上で、現在までの治療結果とこれからの治療方針について改めて説明を受けられたらいかがでしょうか。
この際は、通常の受診時に説明を求めるのではなく事前に説明を受ける予約を取るべきだと思います。これは、決して現在の主治医を否定的に考えるものではありません。このまま他医を受診しても同じことになりかねません。
また、転医をする場合、矯正歯科では矯正治療開始前の検査資料を必要とされる受け入れ側の先生が少なくないこともご承知おき下さい。とにかく疑問点を無くすことが肝要だと思います。なお、治療期間2年から3年というのは決して長すぎることはないと思います。

質問14 (不正咬合について)

高校1年生の娘が矯正歯科で診断した結果、下顎が出ているのを治すために外科手術が必要と言われました。矯正の為といえど、女の子の顔にメスを入れることに抵抗があります。外科手術の安全性や傷痕について教えてください。また、矯正をしない場合、身体的な問題が生じるのでしょうか。
  • 高校1年の娘が矯正歯科で診断した結果、下顎が出ているのを完全に治すには外科手術が必要と診断されました。不完全ながらも矯正はできるとのことでしたが、矯正のために女の子の顔にメスを入れることには抵抗があります。外科手術の安全性や傷痕について教えて下さい。矯正をしない場合、身体的な何か問題が生じるのでしょうか? 単なる美観だけの問題ならやめさせたいと思っています。([性別] 男 [年齢] 40代)
手術が必要との診断結果、最初はさぞ驚かれたことと思います。
ただ、外科処置を必要とする受け口(反対咬合-下顎前突)の症状を持つ患者さまはそう珍しくありません。
特に、東洋人は白人系の人々に比べると受け口の方の比率はかなり高くなりますので原因として考えられるのは、人種的なものともうひとつは遺伝的要素を含むもの。乳歯から永久歯へ生えかわる時期のささいなきっかけからも受け口へ発展するケースもあります。受け口の方の手術ですが、
  • 下顎骨の後方移動のみ
  • 下顎骨の後方移動と頤(オトガイ-chin-下顎の先端)部の形成
  • 上記下顎骨の手術と上顎骨の前方移動
以上に大きく分類されると考えます。特殊な場合を除いて、お口の中からアプローチする方法を第一選択肢として治療方針を決定しますし、実際ほとんどの症例で顔に傷を残すことなく良好な咬み合わせを得ることができ、術式も確立されているといって差し支えないと思います。
ただし、これは顔面領域に限らず外科手術全般に言える事ですが、体にメスが入る以上、その領域の痺れ感や知覚の鈍麻、不幸にして限局的な麻痺がみられる可能性を全て否定することはできません。
もし手術をされない場合のデメリットですが、外科処置を必要とする受け口だと仮定した場合、程度の差はありますが発語障害、顎関節症の引き金となる可能性が高くなります。また、高齢になり不幸にして歯を多数失った場合に機能する入れ歯を作ることが非常に難しくなります。
これは私見ですが、前歯の根の部分が短くなっている方に経験的によく遭遇します。さらに忘れてはならないのが、患者さま自身の心の問題です。この手術が終わったとたんに性格が別人のように明るくなった人をたくさんみてきた経験から、あまりに手術に対して消極的になるのも如何なものかと考えます。
どちらにしても、手術前の矯正治療は必ず必要ですし、高校1年生では手術をするには少し早い(通常完全に骨格的成長の止まった18から20歳以降)と思いますので、ゆっくりと考えられたらいかがでしょうか?

質問15 (顎関節症について)

顎関節症と言われ、通院していたのですがなかなか通院できず、ほったらかしにしています。咬み合わせが最悪で、どの歯も合ってないとのことですが、このような状態で治療してくれる医者を教えてください。また、30歳になりますが治療は可能でしょうか。
  • 数年前歯医者に顎関節症といわれました。そこで大学病院を紹介してもらって通院したのですが、仕事の都合などでなかなか通院できず、担当医に「どうしようもなくなるまでほっときなさい」といわれてしまい、本当にほったらかしにしています。咬み合わせが最悪ということでどの歯もあってないそうです。こんな状態で治療してくれる医者をご存知ないですか?もうすぐ30歳になるところですが、治療できるのでしょうか?
顎関節症と一口に言っても、
  • 顎関節そのものに何らかの問題がある場合
  • 顎関節には何ら問題がなく、顎の運動に直接あるいは間接に関係する筋肉や靭帯とそれらを支配する神経に何らかの問題がある場合の大きく分けて二つが考えられます。
原因としては、
  • 咬み合わせに問題がある これによって、食事をしたりする度に歯根の周囲組織に器質的なダメージを与える(マイクロトラウマと呼びます)とともに、咬む度に危険信号を脳へと送信します。この危険信号はいびつな顎運動を引き起こし、結果として顎周囲の筋肉や顎関節に無理がかかるという悪循環を繰り返します。
  • 生活習慣に問題がある、コンピューターの操作を長時間続けるなどの無理な姿勢や、食いしばるあるいはあまりに長時間ガムを片側だけで咬むなど顎関節に無理のかかる習慣もいわゆる顎関節症の原因になりえるでしょう。
  • 精神的ストレス いわゆる顎関節症の症状を訴える患者さまに「抗不安薬」を処方するだけで症状がなくなってしまう事をしばしば経験します。ただ単独の原因として考えるより、以上の123が絡み合った原因で症状が出てくると考えた方が自然でしょう。
治療は、文面を察するに矯正歯科的治療をメインに、必要に応じて内服薬を処方する事で進めていくことが経験的に多い様に思います。もちろん、治療前に顎関節部の画像診断と顎運動の精査を行う事は当然です。30歳という年齢により治療が不可能になる事はありません。

質問16 (顎関節症について)

顎の痛みで相談です。子どもの頃から歯並びが悪く、最近になって耳たぶの前後が痛くなったり、口も大きく開けられなくなったり、鈍い音がします。矯正をしたほうがよいのでしょうか。
それとも、歯の食いしばりの問題でしょうか。
  • 顎の痛みでご相談します。子どもの頃から歯並びが悪く、八重歯というかがちゃ歯です。
    2年位前から仕事中に疲れることや、嫌なことがあると歯を食いしばるようになりました。最近になって耳たぶの前後が痛くなったり、口を開けると重たくて大きく開けられなくなったり、となることがあります。
    咬み合わせが悪いからなのか、食いしばるからなのか分かりません。また顎を大きく開けると「ごり」と鈍い音が聞こえます(痛みはありません)矯正をしたほうがいいのでしょうか?それとも歯の食いしばりの問題でしょうか?([性別] 女 [年齢] 20代)
お顔の周りで色々と不快な症状がみられ、さぞかしご心配なことと思います。
まず、耳たぶの前後の不快感ですが、これは筋肉の痛みである可能性が高いように思われます。指で押さえてみて、余計に痛くなったりあるいは逆に気持ちよくなったりすればまず間違いないのですが、指で押さえて変化がなくても筋肉痛の可能性は否定できません。この場合の原因は、不正な歯並びがひとつの原因として考えられます。顎の開閉時の雑音については、顎関節部にある関節円板もしくはその前後にある靱帯が関節の運動時に必要以上に力がかかることや、力のかかる方向が不正であるために起きることが多いように思われます。これも、咬み合わせが原因であることを否定できません。
従いまして、矯正治療は原因を除去するための方法として検討の価値があると考えます。現在の症状と治療方針についてあなたが納得できる説明をしてくれる「矯正歯科専門医」にかかられることをお勧めします。

質問17 (歯の治療について)

1年半ほど前より矯正治療を始めましたが、抜歯後輪郭が変わるなど自分の変化に戸惑っています。この先治療がどのように進んでいくのか不安なことと、顔を元の状態に戻してほしいと思っています。原因・治療方法などどんなことでもよいので教えてください。
  • 1年半ほど前より矯正治療を始めました。上の歯はキレイに並んでいたのですが、下の歯がガタガタだったので治療に踏み切りました。人からは、話をしていても下の歯は全く見えなかったので、よく歯並びいいねと言われていました。今年上2本、下2本抜歯したところ、それまでは順調だったのがおかしくなってきました。
    輪郭が変わってきたのです。頬が痩せ、顎のラインが細く長くなり、前に突き出てきたのです。あまりにもの自分の変化に鏡をみても気分が悪くなり、今では精神科で安定剤をもらっています。担当の歯科医も「とまどっている」とのことで、どうしたらいいのか検討しているところです。私としては、ただ下の歯をキレイに並べてもらおうと思っただけなのに顔までおかしくされ、この先治療もどのように進んでいくのか不安でたまりません。私としては、なによりも顔を元の状態に戻してほしいのです。でなければ、普通に生活ができません。どなたか私を助けてください。原因・治療方法どんなことでもよいので、お答え下さい。([性別] 女 [年齢] 20代)
矯正歯科治療は、乱暴なようですが治療を行わなくても直接死につながる事は稀です。より良い人生を目指して矯正治療を行う訳ですが、文面から拝察するにお悩みのようですね。手助けになるかどうか判りませんが、まず矯正治療を開始する頃を思い出してください。
  • 下の歯がガタガタで治療に踏み切ったとのことですが、他の人はきれいと言われたのに開始したということはご自身で治療に相当することを認識されていたのですね。
  • 治療方針については、説明なしで開始された訳でしょうか?
  • 治療開始前の写真、歯の模型を担当の先生に見せてもらい比較しましたか?
  • 抜歯の必要性ならびにその時期について説明を受けましたか?(4本を説明なしで抜歯するとは考えにくいのですが)
以上のことを思い出して下さい。
その上で、事前に予約を取りお互いに時間がゆっくり取れるところで納得いくまで説明を受けられてはいかがでしょうか?
私個人的には、矯正治療は顔貌までの変化を期待できるものと考えています。従って、担当医の思う理想的な顔貌と、あなたの理想とする顔貌に多少すれ違いがある可能性は否定できません。ただ、このすれ違いは解決できるものと考えます。冒頭にも申し上げたように、矯正歯科治療はより健やかな人生を送る為に行うものです。

質問18 (成長期の治療について)

6歳の子どもですが、乳歯を2本歯科で抜きました。半年以上経っても、永久歯が生えてくる様子がありません。こんなに長い間生えなくて永久歯に支障はありませんか。
  • 3月に前歯(乳歯)を2本歯科で抜きました。1本はぐらついていて気持ち悪いといい抜き、ついでにもう1本抜いて頂きました。しかし、10月になっても生えてくる気配がありません。なんだか前歯の上の歯茎が腫れてきている様にもみえるのです。こんなに長い期間生えなくて永久歯に支障はありませんか?([性別] 女 [年齢] 6歳)
なかなか歯が生えてこないということで、ご心配のことでしょう、お察し申し上げます。
ところで、永久歯の生える時期ですが、これは年齢で決まるものではなく後続の永久歯の歯根の完成度で決まるものです。従って、生える時期かどうかは厳密にはX線写真による判断が必要となります。
生えるに十分な歯根ができていても生えてこない場合は、1歯肉が硬くて生えてこない場合、2乳歯の生えている時期に自転車のハンドルで強打するなどの外傷が原因となることもあります。なかなか前歯が生えないと、発語時に舌が前方に出てくる癖(英語でいうところのthの発音)がついて歯ならびに悪影響を与えることもありますので少し注意が必要です。ご心配でしたら一度矯正歯科医もしくは小児歯科医に相談されると良いでしょう。

質問19 (成長期の治療について)

5歳の子どもですが、子どもの前歯と私のひざがぶつかってしまい歯を少し手で押すとぐらつきます。出血はほとんどなかったのですが、大丈夫でしょうか。
  • 息子が私に飛びついて来たのと私が足を動かしたのとが同時になり、息子の前歯(上の中央2本)と私のひざがぶつかりました。 出血はほとんどなかったのですが、前歯が少し手で押したりするとぐらついています。食事は普通にしていますし、手で触らない限り痛がりません。大丈夫でしょうか。([性別] 男 [年齢] 5歳)
ぶつかったときにはさぞかし心配されたことと思いますが、痛がらないのであればしばらく様子を見られても良いと考えます。
ただ、この時期に前歯部を強打すると、その後の永久歯がうまく生えてこないことがありますので、6歳になられたら定期的に上の前歯がうまく生えてくるかどうか検診を受けられたほうがよいでしょう。
骨の中に埋まったままで生えてこない場合でも、矯正歯科的に引っ張り出せることもありますので悲観される必要はありません。どうぞ、お大事になさってください。

質問20 (成長期の治療について)

1歳の子どもですが、旅行先で転倒し前歯が抜けてしまいました。診断をしていただいたところ、幼すぎて治療は難しいという感じを受けましたが、永久歯が生えるまでこのままにしないで人工歯を入れるべきでしょうか。
  • 旅行先で転倒し下の前歯が一本抜けました。出血は10分程でとまり、抜けた歯を歯医者に持参しました。レントゲンの結果他の歯には影響はないとのことでした。今なら再殖も可能ということでしたが 麻酔をすることやその後の固定が困難と判断して、その場での治療は行いませんでした。1ヶ月ほどして歯茎が落ち着き次第 人工歯をいれないと将来永久歯が生える位置がずれるというお話でした。自宅に戻り近所の小児歯科に連れていきましたが そこでは何もせずにこのまま半年様子をみましょうといわれました。診察だけでもかなり暴れるし 幼すぎてとても治療は難しいという感じでした。まだ永久歯が生えてくるまで何年もありますが このままにしないで人工歯をいれるべきでしょうか? 歯抜けの状態で息がもれるので言葉の習得に影響がないかと心配です。もし治療をするとなるとやはり麻酔をするのですよね。本人はなんでも口にいれてしまう癖があり、治療ができるのかも不安です。今も抜けたところを気にしています。([性別] 男 [年齢] 1歳)
出血を伴う乳歯の脱落、さぞかしご心配のことと存じます。文書拝読する限りあまりご心配されることはないように思われます。人工歯については、この時期に無理に装着する必要がないと考えます。小児歯科の先生のおっしゃる通り半年毎の定期検診で十分でしょう。発音への影響はケースバイケースで、サ行・タ行の発音に親御さんが気をつけて話し掛けると予後としては良いようです。ただ、乳歯の時期に前歯を強打すると後続の永久歯がなかなか生えて来なかったり、位置の不正が出てきたりする可能性は否定できません。5歳を過ぎたころから矯正歯科専門医の診察も合わせて受けられることをお勧めいたします。

質問20 (成長期の治療について)

1歳半の歯科検診の際に、上唇裏側の中心から歯茎に向かう筋が普通より前歯の付け根近くにあると言われました。最近、出っ歯になってきたようなのですが、この筋と関係あるのでしょうか。切ったほうがよいのでしょうか。
  • 1歳半の歯科検診のときに、上唇裏側の中心から歯茎に向かう筋が、普通より下の前歯の付け根に近いところについていると言われました。見て下さった先生が、「小さい子には良くあることで、大きくなるにつれて歯茎の上のほうにつくようになりますけど、歯みがきを嫌がったりするようでしたら切ってもらうことも・・」とおっしゃっていました。そのときは別に不都合もないので聞き流していたのですが、最近どうも歯並びが前2本出っ歯になってきたようなのです。主人も同じように前2本が出っ歯で、例の筋が前歯の付け根のほうまできています。
    そこで質問なのですが、出っ歯はこの筋と関係あるのでしょうか?そうだとしたら、切ったほうがよいのでしょうか?切るとしたら何歳ごろ、どのような病院でお願いしたらよいのでしょうか?切ることにデメリットはないのでしょうか?([性別] 女 [年齢] 2歳)
上唇の裏の筋は、上唇小帯のことだと思いますが、上唇小帯ということを前提にお話させていただきます。
この小帯は確かに年齢と共に付着位置が上がっていき8歳くらいまでは様子を見ても良いのが一般的ですが、発音や発語、摂食などに問題が生じればその年齢に達しなくても上唇小帯の整形術(付着位置を変えるように切開線を入れる)を施行します。通常外来でできる処置ですが、外来の診察台に座っていられるかどうかがポイントとなります。結果2歳では不都合のない限り少し早いということになります。
また、この上唇小帯の付着異常は前歯の間にすき間が開いてしまうタイプの不正咬合の原因となります。いわゆる出っ歯についてもその可能性は否定できません。
処置は、一般の歯科医院でも行えるものですが、施設によっては行っていない場合もありますので事前に相談されるのも良いでしょう。小児歯科や歯科口腔外科では間違いなく対応してもらえるはずです。
手術を行うデメリットは担当の先生にお聞きいただくしかありませんが、この手術に関して特別な問題はあまり報告がないような気がします。私は、付着異常の患者さまにはおすすめしています。
このような症状の場合、この手術と平行して就学時期から矯正歯科医のフォローが必要になるかもしれません。

質問22 (成長期の治療について)

1歳半健診後に、市よりフッ素塗布の案内をいただきましたがフッ素塗布によるメリット・デメリットを教えてください。
  • 市で主催している1歳半検診(歯科検診含む)後に、同じく市から「フッ素塗布」の案内をもらっています。
    希望者にのみ1歯あたり60円での有料塗布なのですが、乳幼児へのフッ素塗布の是非については諸説あったと記憶しています。案内も「あくまでも保護者の判断(および責任)で実施」とのスタンスです。
    必要性・効果・塗布による問題点等、親自身が予備知識を得た上で判断したいと思っております。塗布によるメリット・デメリット等お願いします。([性別] 女 [年齢] 1歳7ヶ月)
虫歯予防にいわゆるフッ素(我が邦では一般的に濃度9000PPMのフッ化ナトリウムであることが多い)を塗布することは虫歯予防に効果的であることは多くの内外の研究者の信頼できる研究により明らかとなっています。歯の表面はリン酸カルシウムの結晶体で構成されており、この構造が壊れてカルシウムが溶け出しもとに戻らなくなった状態が虫歯です。フッ素を塗布することにより、カルシウムが溶け出しにくくなる構造に歯の表面が変化し、結果として虫歯予防が期待できます。つまり、科学的に虫歯になる確率が減少するということです。もちろん薬物ですから一定以上量が体内に入ると(飲み込むと)中毒症状が出ますが(これはあらゆる薬物にいえることですが)、体重から計算して十分に安全と考えられる量しか塗布しないので、有資格者が担当する限りまずご心配には及ばないと考えます。
これは余談ですが、私共のクリニックのある岐阜市では長期にわたり保健所をはじめとした行政がフッ素塗布に力を入れた結果、中核市の中で虫歯の一番少ない市となりました。個人的にも社会的にも虫歯を作ることは、経済的にもまた身体の機能的にも損失となります。比較的簡単な方法で虫歯予防の効果が期待できるのであることを考えれば、前向きに考えられた方がよろしいのではないでしょうか。

質問23 (歯の治療について)

3年前に受け口を治すための手術を受けましたが、それ以降頬から顎にかけての痺れがとれません。担当医師からは、神経が元に戻るまで6年以上かかるといわれましたが、本当に元通りになるのでしょうか。
  • 3年半前に受け口を治すための手術を受けました。それ以来ずっと片方の頬から顎にかけてしびれがとれません。3ヶ月前、手術の時に骨に埋め込んだネジが骨から4ミリも出ているのが見つかり、そのネジは抜いてしまいましたが一向によくなりません。また、折れたドリルが骨の中に埋まったままらしいのですが、それも神経には関係ないということと、何も手立てがないということらしいのですが、そのドクターには神経が元にもどるまで人によっては6年以上かかるからそれまで待つしかないと言われました。しかし、痺れだけでなく運動したときやものを咬んだとき、そちら側を下にして横になったときなど、血がその辺りに集まるとき特に神経が敏感になり、腫れたような感じが強くなります。寒さと痛みを伴う事もあります。6年と言うとあと3年近くもあり、それまで我慢できそうにありません。本当に6年すると全て神経が元通りになるのでしょうか。([性別] 女 [年齢] 30代)
手術を受けられて、何かと症状がとれずお悩みのご様子よく理解できます。
文面から、拝察しますにあなた様の症状は受け口の手術後時々見られる症状で、これは手術の拙攻とは関係ありません。繰り返しますが、ネジを途中で取ることは一般的にやられていることであり、文面を拝見する限り手術には問題がないと考えます。
担当の先生がおっしゃるように「日にち薬」ということで様子を見るしかないと思います。場合によっては、ビタミン剤や神経痛のお薬で効果が見られる場合もありますが、これも気長に様子を見るということでは変わりありません。咬むと神経が敏感になるという意味では、咬み合わせをチェックされてもよいかもしれません。担当の先生に相談してみてください。
個人的な意見ですが、折角受けられた手術を否定的に捉えるばかりでなく、きっとすばらしいと思うことや、長年の悩みが取れた部分もきっとあるはずです。少し長い目で、ドクターを信じて手術の結果を受け止められてはいかがでしょうか?

質問24 (大人の矯正について)

歯が悪くても、妊娠に差し障りはないのでしょうか。また、気をつけることがあれば教えてください。
  • 私は歯がけっこう悪く、治療をずっとしているのですが妊娠を希望しています。歯が悪くても妊娠して差しさわりはないでしょうか。また何か気をつけることを教えてください。([性別] 女 [年齢] 20代)
歯が悪いということですが、歯科にかかるべき不具合があるという解釈でお話を進めさせていただきます。
基本的に、ご妊娠をしてはいけないということはないと考えます。
ただし、妊娠中には歯科治療で必要な薬剤が使えない場合やX線による画像診断を躊躇されるなどの問題が発生いたします。 つまり、治療に制限が生じるということでは妊娠中に治療の可能性が生じるようなところは事前にきちんと治療をしておくべきであると考えます。
また、歯周病の程度によっては血液中にお口の中の細菌が混じる可能性も否定できません。直接胎児に影響があるとはいえませんが、母体の腎臓や心臓に場合によっては負担をかける可能性があることも否定できません。
結果として、歯科医師のもと治療を受け、歯科医師や歯科衛生士の指導のもと日ごろの歯磨きの徹底が必要となります。この歯磨きさえきちんと行えば妊娠中の虫歯などのご心配はほとんどなくなるといえます。

質問25 (成長期の治療について)

2歳の子どもについてですが、前歯が少し溶けてしまっています。その後も進行しており、永久歯への影響や食餌や発育への影響が心配なのですが。
  • 2歳9ヶ月になる男児の歯のことでご相談します。前歯(上顎)が甘いものの取りすぎ?で溶けてしまっています。少し溶けた頃に歯科にかかり、何かを塗布していただいた(黒く色づいた)のですがその後も進行しています。永久歯への影響や、このまま進行すると食餌や発育への影響を心配しています。([性別] 男 [年齢] 2歳)
もし、本当に前歯が溶けたようになっているのであれば、まず食事のとり方・食事のメニュー、また間食(特にスポーツドリンク、乳酸飲料を含む清涼飲料水)のとり方にも改善点の存在する可能性があります。歯が溶けるという状態はもちろん、虫歯の状態とご理解いただいて構いません。以前に歯科を受診された時に塗布したものは、初期の虫歯の進行を抑制する薬であると思われます。黒色に着色するのはその成分の銀によるもので避けられないものです。
また、この処置は妥当なものであると個人的に考えます。ただ、この処置ですべてが解決できるとはいえません。歯が溶ける原因は、歯の周りの環境が酸性に傾いた結果起きるものです。この酸は特に通常乳酸飲料や一部の炭酸飲料などの飲食物に由来するもの、またはお口の中の細菌が糖分の分解物に由来するものがほとんどです。虫歯になりやすい歯の質である可能性もあります。従って、できるだけお口の中が酸性側に傾かない環境を作ってあげることが肝心です。この為には、できるだけ糖分の少ない間食を与える、糖分の多いジュース類は極力避ける、食事後(間食後も含む)は直ぐに歯磨きをする、などにご留意いただきたく存じます。また、哺乳ビンのようなストロー付き容器でジュースを常時飲むようなことは厳に謹んで頂きたいと思います。 お口の中が、虫歯になりやすい全身疾患が隠れていることもありますので、小児歯科専門医に一度ご相談されることをお勧めいたします。

質問26 (顎関節症について)

口を大きく開けると耳の下あたりが痛むようになりました。普段の生活には支障がないのですが、今後どのような症状があれば口腔外科で診ていただければよいのでしょうか。
  • 1年以上の間、左の耳の下のあたりでカチカチと音がなるようになりました。ものを咬んだりする時にはっきりと聞こえるのですが、一緒に食事をしている家族は全く気がつきませんでした。痛みもないので、医師に相談しませんでしたが、2週間ほど前から症状がかわりました。いつのまにか、気がついたら音はしなくなっていたのが、口を大きく開けると同じ場所で左耳の下あたりが痛むようになりました。食事時とあくびをすると痛く、今までより口を小さく開けるようにしています。食事は、口に運ぶ時に不便ですが、咬む事は以前と変わりない程度できます。普段の生活に支障はなく、痛みもそれ以外は感じません。右側は音がなったことはなく、現在も痛くありません。今後どのような症状があれば口腔外科で診ていただいた方がいいでしょうか。私は、歯と歯の間がきっちりしていて顎が狭い方です。([性別] 女 [年齢] 30代)
内容を拝見するに、この音は顎関節(がくかんせつ)部からのものと思われます。一般的には、関節部のクッションの役目をしている関節円板が正常な位置からズレているために発生するものと考えられています。音がするだけでは、あまり心配なさらなくてよろしいのではと考えます。原因としていくつかの事が言われていますが、咬み合わせが悪いとなりやすい様に思います。特に、上の2番目の前歯が後ろにあり、下の歯と過剰な当たり方をしている方に多いように感じます。基本的には、奥歯で0.1ミリきつく当たりすぎるとこのような症状の引き金になることもあります。また、精神的なストレスが原因となることもあります。治療については、考えられる原因をひとつずつ除去していくしかありません。ただ、顎関節症は現在では進行性の病気とは限らないと考えられていますので、あまり深刻に考えられない方が良いと思います。口腔外科を受診するのは、口が開けにくくなったり痛みが我慢できなくなったりしてからでも良いとは思いますが、咬み合わせが原因であれば、咬み合わせについてお得意な先生(矯正歯科を含む歯科系各科)に相談だけでもされてはいかがでしょうか?

質問27 (顎関節症について)

7歳の子どもですが、前歯に逆性の過剰歯があると言われました。早めに抜いたほうがいいのでしょうか。また、このままにしておくとどうなるのでしょうか。
  • 左の前歯の所に逆性の過剰歯があると言われレントゲンでも確認しました。歯並びも悪くなるし、根っこどうしがあたるなどが考えられる為抜きましょうといわれました。このままにしておいても消えてなくなるという事はないとわかってはいますが、早めに抜いた方がいいのでしょうか?またこのままにしておくとどうなるのでしょうか?([性別] 女 [年齢] 7歳)
お子様のように、上の前歯付近に過剰歯が存在することはそう珍しいことではありません。この過剰歯は、主治医の先生のおっしゃる通り早めに抜いたほうが良いと思います。理由は、受けられた説明の通りです。また、このままにしておくとどうなるかですが、他の歯の歯根部に接触していれば過剰歯と接触している永久歯両方の歯根の吸収(つまり根っこが溶ける)が起こります。仮に接触していなくても将来的に接触する可能性も考えられます。歯並びには悪影響を与えると考えたほうが良いと思います。この場合考えにくいのですが、過剰歯が他の永久歯にあきらかに悪影響を与えないような場所にあれば経過を観る方法もあります。

質問28 (顎関節症について)

1歳の子どもですが、歯科検診で歯が白濁と言われました。白濁について教えてください。
また、なぜ白濁になるのでしょうか。このまま虫歯になるのでしょうか。
  • 現在16本の歯が出ています。歯科検診で左上一番奥の歯が白濁と言われました。白濁の意味がわからないので、ぜひ教えて下さい。なぜ、白濁になるのですか。このまま虫歯に進んでいくのでしょうか。虫歯になるとしたら、どれ位の期間でなってしまうのでしょうか。白濁というのは虫歯の前の段階ということなのでしょうか。この歯は虫歯になってしまうのですか。一度白濁になってしまった歯は元には戻らないのですか。気を付ければ、虫歯まで発展せずにすみますか?([性別] 女 [年齢] 1歳)
歯の一番表面はエナメル質と呼ばれる層で、これはリン酸カルシウムの結晶体です。この結晶は本来薄いスリガラスのように半透明なのですが、何らかの原因で結晶が不完全であったりすると白濁として現れます。また、虫歯というのはエナメル質のカルシウムが失われて(これを脱灰と呼びます)結晶構造が壊れ元に戻らなくなった状態をいいます。カルシウムが失われても、その程度によっては再び唾液中のカルシウムを取り込んで(再石灰化といいます)もとの健全な結晶構造に戻るといわれています。
つまり、お口の中の環境を、脱灰が起こりにくくしてまた再石灰化が促進されるようにすれば歯の為には良いことになります。具体的に脱灰(白濁)の原因となるのは、
  • 生まれつきのエナメル質結晶構造の不正
  • 歯の周りでの酸の存在(うまく歯磨きができていないところに酸が多く発生します)
が大きな原因として挙げられます。
再石灰化を促進させる因子としては、フッ化物(いわゆるフッ素)の存在が代表的なものと考えられています。以上のことから、
  • こまめに、酸を作る基になる歯垢を取り除く(歯磨きの励行)
  • フッ素入り歯磨剤の使用
  • 歯科医師の指示による定期的なフッ化物の歯面塗布が虫歯になる可能性を少しでも低くする
方法が挙げられます。

質問29 (歯の治療について)

10年ほど前から歯茎より出血があります。歯を磨いたときだけではなく、通常時もよく出血しています。市販の薬等で治療したほうがよいのでしょうか。
  • 10年ほど前から歯茎より出血があります。歯を磨いたときだけでなく、通常事もよく出血します。見た目も少し腫れており、歯と歯肉の間に隙間があるように感じます。歯医者で申告はするのですが、歯石取り、歯の磨き方を指導されただけです。(虫歯はすべて治療済み)自分でも、歯をよく磨くなど注意しておりますが、市販の薬等でなにか治療したほうがよいのでしょうか?([性別] 男 [30代])
歯肉から出血とのことですが、まず原因として考えられるのは
  • 血友病、白血病、ビタミンCの欠乏など全身に出血性の素因がある場合
  • 歯周組織に炎症が起きている場合
以上です。2についてですが、一番考えられるのはいわゆる歯槽膿漏(辺縁性歯周炎)です。この原因はある種の細菌で(もちろん特定されています)、この細菌の出す毒素や酵素、それにこの細菌による免疫反応が起こり結果として歯周組織を破壊していくものです。この歯周組織を破壊する過程で出血が見られるのだと思います。治療については、この細菌(嫌気性菌)をできるだけ取り除くか棲みにくい環境をつくることです。このためには、酸素を送り込むということを含めて適切な歯磨きが一番ということになります(歯石は取ってありますから)。急性症状があるときには歯科の受診が必要です。たかが歯磨きなどと思わずに、細菌を駆逐するつもりで「歯磨き」をなさってください。歯ブラシは月に1度は必ず新しいものにして下さい(能力が半分以下になります)。市販の歯磨き材を購入されるときは、CPC(塩化セチルピリジニウム)、クロールヘキシジン、トリクロサンなどの薬用成分の入ったものがお勧めです。

質問30 (顎関節症について)

顎関節症で手術を受けましたが、頬に痺れがあります。この痺れは一生このままなのでしょうか。治療できるのであれば、どの科に行けばよいのでしょうか。
  • 2年半前に、顎関節症で手術を受けました。下顎を短くして上顎の角度を変えました。手術後半年の検査の時、左頬にまだ痺れがあったのですが、1年すると治ると言われそのままにしました。そして1年が経ち、このままだときっと一生治らないといわれました。頬の内側の神経は細いので誤って切ったりしても仕方ない。どんな手術にもリスクはあるのだから・・・だそうなのです。歯医者で麻酔されて治療を終えて家に帰っている時のような、まだ痺れて大きな飴玉を含んでいるような感じが強く残っているのです。やはり一生このままなのでしょうか?もし、治療出来るのであればどの科に行けばよいのでしょうか?
おそらく、口腔外科で手術されたのだと思いますが、顎関節症を伴う顎変形症であったと想像されます。上下の歯の咬み合わせが、矯正歯科治療だけでは限界がある為手術したのではないでしょうか?
上下顎とも手術をされたことからも伺えます。そのときの苦痛も大変だったのではとお察しします。
痺れがあるとのことですが、残念ながらどんなに完璧に手術を行っても痺れがでることがあります。もちろん大きな神経を傷つけないように細心の注意を払ってのことです。体にメスを入れるということは多かれ少なかれリスクを伴います。これについては、術前に説明がなされていると思います(でも自分は大丈夫かなと思うのが人情ですが)。
あきらめずに、また手術がうまくいかなかったのではなどと考えずに、気長に回復するのを待ったほうが良いと思います。身内(同じ科のドクター)の手術をしても時として起こるのですから。飲み薬で症状が改善することも多々ありますので、前向きに主治医に相談されてみてはいかがでしょうか。
個人的な見解として、(歯科)口腔外科、神経科で対処している例が多いように思います。

質問31 (顎関節症について)

顎関節症の治療で、歯を削る治療を行いました。その後、顎の具合が以前より悪くなっています。治療してから悪くなった部分を治療することはできますか。
また、治すためにはどのような方法をとるべきなのでしょうか。
  • 顎関節症の治療で歯を削って顎のストレスをとるような治療をしました。もともと私生活に全く不自由が無く、無理に治す必要はないように思っていました。それで歯を削る治療を何回かして(1ヶ月くらいで4回くらい)結局「いま不自由が無いなら治療を辞めましょう。」とやらなくても良い治療をされたような印象を受けました。
    そしてその後、顎の具合が以前より悪くなり食事を取る時に頭が痛くなったり、首から肩が凝ったり、また歯ぎしりもするようになってしまいました。また歯を食いしばる時に歯がきれいに咬み合わなくなってもいます。歯のことなので歯並びが悪くなることや頭痛持ちにならないかといろいろ心配です。あと肩の凝りとかもこのままだとどうなるかわからないので心配です。僕が不満に思っていることは、一番目に治療を途中で辞めてしまった事です。そしてその無責任な治療によって以前より具合が悪くなった事です。しかしそんな信頼感を無くした歯医者には本気で相談できないし、治療に関しても心配なのでこのように相談している次第です。質問なのですがこの事(治療してから悪くなった部分)を治療で治すのは可能なのですか?後は治すにはどのような方法を取るべきか?その歯医者に過失はないのでしょうか?(自分の歯を削られて私生活に影響が出ているのが腹立たしいです)([性別] 男 [20代])
まず、歯を削って顎関節症の治療をなされたそうですが、歯を削るといっても通常0.1ミリ内外を削る程度ですので、自然に擦り減っていく量にも満たないと思ってください。無理に治療する程でなかったということですが、先生が無理やり歯を削ったとは考えにくいので、あなたがそんなにひどくないけど症状がある旨先生に申告したのだと思います(いま不自由がなければ、ということはそれまで多少なりとも不自由があると先生が認識されていたのではと思います)。それに対しての治療だと考えるのが自然ですし、歯を削って治療をするということは決して珍しい治療方法ではありません。確かに少量でも、不可逆的な治療ですから慎重に、削る部位を選択するのは当然ですが。この治療法は、
  • 歯は咬み合わせたときに、上下が接触してよい部分と悪い部分があります。この接触しないほうが良い部分を少量削るのがこの治療方法です。
  • このように歯を削ることにより、顎の運動パターンが変わり筋肉や関節に無理がかからなくなります。
  • 顎の運動パターンが変わるわけですから、一時的に顎に関連する筋肉がすぐに対応できずに肩こりなどの症状として現れるのだと思います。
ですから、しばらくは筋肉が順応するまで少し長い目で様子を見られたらいかがでしょうか?
また、むやみに先生を変わるより同じ先生に相談されるほうが良いと思います。なぜなら、他の先生ではどこをどのくらい削ったのか判らない場合がありますので。先生を変わるときは、紹介状を書いてもらうほうが良いですね。宛先の先生はまだ決まっていないと正直におっしゃってはいかがでしょうか?
また、顎の周囲の筋肉が早く順応できるように、首をゆっくりと前後左右に動かしていわゆるストレッチ運動をすると効果的です。もちろん全身のストレッチも忘れずにやってください。

質問32(歯の治療について)

歯ぎしりで悩んでいます。
歯ぎしりが体に与える影響、具体的な対処方法などありましたら教えてください。
  • 歯ぎしりで悩んでいます。最近結婚したのですが一緒に寝ている夫に ”すごい音”と言われてしまいました。歯ぎしりの体に与える影響、具体的な対処法等ありましたら教えてください。([性別] 女 [20代])
歯ぎしりは、原因を特定することが非常に難しいものですが、原因としては以下の事が考えられます。
  • 奥歯あるいは前歯で咬み合わせが悪い部分がある。
    (これは、0.1ミリのズレでも異常がでることがあります)
  • 虫歯の治療などで、金属や樹脂をつめたり被せたりした後に、歯が動いて上の1.と同様の状態になることもあります。
  • 日常のストレスが引き金となることもあります。
対処方法としては、
  • 咬み合わせが悪い部分を治す。
  • 歯ぎしり用マウスピースを就寝時に装着する。
  • 筋肉の緊張をほぐす、精神の緊張をほぐす薬を服用する。
などが考えられます。そのまま放置すると、
  • 歯がどんどん磨耗してくる。
  • 顎が痛くなったり、頭が痛くなったりといわゆる顎関節症様の症状が出てくる。
  • 睡眠不足のような状態が見られる。
以上の可能性が否定できません。特に咬み合わせを得意とされる先生に相談されるとよろしいでしょう。

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