検査・診断料 | 60,000円(税別) |
基本治療費・装置料 | 440,000円(税別) |
矯正再診料 | 4,200円(税込) |
矯正歯科分野は自由診療となります。
メモ:成長期の矯正治療をより理解するために・・・。
顎・顔面・頭蓋(要は首から上を構成する骨格)を構成する骨は15種類(23個)あります。
これらの骨は、同時に大きくなるものではなく、異なる時期に別個の成長パターンを示します。特に下顎骨は、手足の骨と同じ仲間になり、第二次性徴期に旺盛な成長がみられます。成長期途中にきれいなかみ合わせになっても、その後下顎が大きく成長し新たな症状として受け口になってしまうこともあります。下顎の成長に特に留意し、継続して観察をすることが望ましいと考えます。
当クリニックでは成長期の矯正治療は、画像情報としてセファログラム・手根骨X線写真のデータを基に、患者様の顎顔面頭蓋部の成長度に合わせて治療方針を決定します。
成長期の矯正治療は、お子様の成長とそれに伴う症状の変化を見極めながら、成長完了時の状態を念頭においた治療方針の決定が必要となります。当然ではありますが、この間むし歯予防に関しても配慮をしています。
成長度を計測するために、当クリニックでは左手レントゲン写真から客観的に骨年齢の評価が可能な「骨年齢自動評価システムCASMAS」を導入し、矯正治療の診断に用いています。これにより、下顎の成長量が予測できるため、治療方針の決定や予後の判断の精度が向上します。
骨年齢評価システム(CASMAS)
本プログラムでは手のX線写真を、画像処理し第三指を検出、さらに骨端骨と、骨幹骨を含む末節骨、基節骨から計測ポイントを抽出し、骨年齢を算出します。
骨年齢と現在の下顎長、身長を基に、下顎骨全体長の成長予測と最終身長予測を行う事ができます。
特に、幼少期を含めた「受け口」の治療においては、貴重な情報をもたらしてくれます。
<これらの検査のみご希望の方にも対応できます。他施設からの依頼にも対応しています>
矯正歯科だからといって、いきなり矯正装置をお口の中に入れられる!とは限りません。
外科を受診したからといって必ず手術になるわけではないですよね。これは、矯正歯科も同じです。
幼児期から老年期まで多くの臨床経験から、「この方は、このままだと手術が必要な“受け口”になる可能性がある。」など、予測がつくようになります。(もちろん科学的な裏付けは必要となります)
ちまたで(患者さまから聞く話ですが)、受け口は自然に治ることもあるから・・・、永久歯がはえ揃うまで様子見にしましょう!という話が独り歩きしているようですが、この考えは非常に危険です。
例えば、専門的で恐縮ですが Psude class Ⅲタイプ以外の“受け口”は、小学校入学前からフォローしたいところです。仮性か否かは矯正歯科医でも判断に難渋する事があります。
永久歯がはえ揃うまで待って矯正歯科を受診された方々の治療に難渋することはしばしば経験するところです。
矯正装置を装着する前のフォローの内容
矯正装置を装着する前のフォローとしては、
- 乳歯犬歯の咬合調整(苦痛のない範囲で先端を丸くする処置)
- 舌運動のトレーニング
- 正しい発語の練習(幼児語には舌小帯の付着異常など原因があることも)
- 徹底したむし歯予防
- 乳歯(むし歯の)処置歯の管理
(定期的な形態修正を怠ると、矯正歯科疾患や顎関節症の原因となりえます) - 姿勢を含めた悪習癖の改善
これらを、低年齢のお子様方に飽きられないように継続して受診していただくように心がけています。
余談ですが、「矯正中にむし歯になったらどうしましょう?」という質問を受けることがありますが、この頃からフォローしている方でむし歯のできる方は殆どいらっしゃいません。
当然、小学校6年生の時に歯の健康コンクールの学校代表に選ばれた方が私どものクリニックの患者さまに少なからずいらっしゃいます。(自慢話みたいで恐縮ですが)
- 永久歯が生えはじめる年長さんから小学校2年生くらいまでの間に一度受診されることをおすすめします。
- よりシンプルな装置での治療が可能 目立たず虫歯の心配もありません。
- 原因からの治療が可能 舌の癖など発音・発語を視野に入れた根治療法が簡単に行えます。
- 顎の骨の形まで良い方向へ導くことが可能 永久歯抜歯の確率が格段に減ります。
- 場合によっては費用も少なくてすむ 5万円(税別)就学前
など乳歯を少しずつ削ってゆくだけで装置を使用することなく治る例もあります。
受け口
いわゆる受け口は、普通に奥歯でしっかり噛んだ時に上の前歯より下の前歯のほうが前にある状態で、「反対咬合」もしくは「下顎前突症」として検診などで指摘されます。
受け口は、歯の生える位置の不正など歯並びだけの問題である(歯槽性-しそうせい)場合と顎・顔面を構成する骨を含めた問題(骨格性-こっかくせい)に分けることができます。
歯槽性の受け口も放置すると骨格性へと移行し、時として成人後、外科手術が必要となることもあります。
治療しない場合、容姿の問題の他にも、舌の運動パターンが変化し食べこぼしが多い、受け口特有のしゃべり方(発音)になるなどの問題が出てきます。
また将来、不幸にして歯を失った場合も受け口だった方の入れ歯の作製は、正常な歯ならびだった方に比べ歯科医師が苦労することが多いように思います。
- 要因として考えられる中では、遺伝的要素や人種的いわゆる黄色人種の方が受け口の頻度が高いことが指摘されています。近年の研究では、乳児期の寝グセも関係があるとされています。また舌の癖や悪い姿勢やある種のホルモンの分泌異常も原因となりえます。
- 治療のタイミング
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歯科の診療台に普通に座れるようになる3歳を過ぎた頃に一度受診されると安心です。
この時期にいきなり矯正装置をお口の中に入れることは殆どありません。この時期、姿勢の改善や乳歯の先端を痛みのない範囲で削るなどの処置が中心となります。
受診するのは、矯正歯科専任の先生がいらっしゃるところにかかられると良いでしょう。
「永久歯が生えそろうまで、待てば良い」という考え方は受け口には当てはまらないことが多い(歯槽性から骨格性に移行してしまう)ので、積極的に低年齢から診察して下さる先生にかかることをお勧めします。
親御さんがかわいいと思いがちな舌足らずの幼児語が実は受け口をはじめとする不正咬合のサインである場合もあります。